この写真の撮影地点はどこでしょうか?
これは2004年11月16日の朝日新聞に掲載された写真です。中央のえぐれている部分は大沢崩れでしょうか。ハングライダーが飛んでいるから朝霧高原?
とするとちょっと気になることがあります。朝霧高原からは山頂部の右側が高くなるはずです。このように左が高くなるのは、南部の地域です(富士川堤防など)(『富士山展望百科』160ページ参照)。ただ、その場合は、このように大沢崩れは見えないはずです。
撮影者名で検索すると、全日本写真連盟の山梨県本部委員長さんであることがわかりました(ここ)。またこの写真は、「全日本写真展2004」の山梨県優秀賞 「富士を翔る」としてインターネットでも見ることができます(リンク切れ)
これはどこから撮影したものでしょうか。
ためしに反転させてみました。そしてカシミールで作成してみました。
谷(沢)の入り具合がよく似ていますね。カシミールの描画地点は下の地図をご覧下さい。旧測地系で、35°22′07″91、138°36′02″47です。試行錯誤すれば、もっとピッタリの位置も見つかるでしょう。
まさか本当に裏焼きということはないでしょうね。
上記の写真の撮影場所をうまくシミュレートできた方は是非お知らせ下さい。
なお、本ページの性格上、新聞記事(写真)をスキャナーで読み込み、掲載させて頂いています。ご了解下さい。
続報1(2004年12月12日)
「山の展望と地図のフォーラム」で話題にしたところ、「撮影場所は猪之頭林道ですね。有名な撮影ポイントですから、富士山の写真ヤなら誰でも知ってるとこです。もちろん左右は逆です」という明確な答えを頂きました(富嶽仙人さん)。掲載してあったのが「声」の欄ですので、問い合わせメールを送りました。返事がくるかどうか・・・。
●関連ページ 全日本写真展トップページ(リンク切れ)
          全日本写真展2005 応募要項(リンク切れ)
この写真展の主催者は朝日新聞社だったのですね。事務局は朝日新聞社内にありました。「声」欄担当者よりも、そちらに直接聞くべきだったので、月曜日に時間があれば、問い合わせをしてみようと思います。
続報2(2009年8月2日)
何を今更ですが、2004年12月14日付できた全日写連事務局からの返信をご紹介します。
お問い合わせの「全日本写真展2004」山梨県優秀賞「富士を翔る」についてですが、この作品は左右が逆(つまり裏焼き)になっています。作者が作品づくりの一環としてそのようにしたものです。

写真の表現は様々なものがあり、写真コンテストには様々な技法を駆使した作品が数多く集まります。
明るいトーンに仕上げたり、暗いトーンに仕上げたり、コントラストを強調したり、あるいは弱めたり。暗室技法としての覆い焼きや焼きこみなどはほとんど例外なく用いられています。
そんな技法のひとつとして、天地を逆さまにしたり、裏焼きにして左右を逆にしたりというものもあります。

「裏焼きは事実と異なる」という意見も一方ではあるのですが、当連盟としては、写真芸術の間口は広く保ちたいとの考えから、応募規定で禁止されていない限りはあらゆる技法を認めることにしています。
実際のところ、「裏焼きは禁止」とすると、「写真の始まりであるダゲレオタイプは裏焼きだ。なぜその表現方法を禁止するのか」という反対意見が来ることは容易に想像できます。そこまで理屈っぽくなくとも、当連盟が想像もしなかった技法が生み出される可能性をあえて狭くすることもないと考えています。

「全日本写真展」では昨年度より新たに「合成は不可」との規定を設け、ややドキュメンタリー性を重視する方向へとコンテストの性格を変更しましたが、それ以外の技法は現時点では認めています。
2004年段階の内容です。その後デジタル写真の発展もあり、どうなっているかはわかりません。
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